【6月25日 AFP】英国のウィリアム王子(Prince William)が24日、中東歴訪を開始し、最初の訪問国ヨルダンを訪れた。王子はこの後、英王室メンバーとして初めてイスラエルとパレスチナ自治区を公式訪問する。

 ヨルダン訪問は、英王位継承順位2位のウィリアム王子と、イギリスのサンドハースト王立陸軍士官学校(Royal Military Academy Sandhurst)の同窓生でもあるヨルダンのフセイン王子(Prince Hussein)が絆を深める機会とされている。

 ウィリアム王子は24日夜、ヨルダンの首都アンマンの英大使公邸で催された祖母エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の誕生日パーティに出席した。女王の92歳誕生日の公式祝賀は今月9日に行われている。

 25日夜、ウィリアム王子はイスラエルと、占領地パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)への歴史的訪問を開始。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長とそれぞれ会見する予定だ。

 ケンジントン宮殿(Kensington Palace)は「王室のすべての海外訪問と同様、殿下の役割は非政治的なものだ」と強調している。

 だが、パレスチナ一帯は繊細な配慮が必要な地域だ。

 現在は特に、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定し、米大使館を同地に移転させたことにパレスチナ人が激怒。イスラエル治安部隊との衝突で多数の死者が出るなど、情勢が不安定になっている。

 英国は国際連盟(League of Nations)下、1948年のイスラエル独立までの約30年間、パレスチナを委任統治した。しかし、この地域を荒廃させ続けている紛争の種をまいたとして、現在もパレスチナ、イスラエル双方から非難されている。(c)AFP/Mussa Hattar