【6月24日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は23日、移民を受け入れない欧州連合(EU)加盟国に制裁金を科すべきだとの考えを示した。これにイタリア政府が反発を強めている。

 イタリア政府は他のEU加盟国が移民を受け入れる負担を分かち合っていないとして、他国の移民救助船が国内の港に入港することを拒否している。

 マクロン氏はパリでスペインのペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相と会談後、EUの協力から恩恵を受けていながら「移民問題では利己的に国益を主張する」加盟国に対し、制裁を科すべきだと語った。

 マクロン氏とサンチェス氏はまた、移民が最初に到着することの多い国に移民申請を受け付ける収容施設を設置し、申請手続きが行われている間は同施設に移民を収容する考えに支持を表明した。

 一方、イタリア政府はマクロン氏のコメントに強く反発。極右政党を率いるマッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)内相は移民問題に関するマクロン氏の発言について「傲慢(ごうまん)」だと批判した。

 サルビー二氏は、ここ4年で65万人がイタリアに到着し、43万件の移民・難民申請があり、ホテルやアパートに暮らす難民とみられる17万人に50億ユーロ(約6400億円)を超えるコストが発生していると指摘。

 サルビー二氏は「もし傲慢なマクロン氏にはこれが問題でないのであれば、侮辱することをやめ、フランスの港を多く開き、女性や子どもたちを送り返すことをやめることによって寛容さを示すことをお勧めする」と批判した。(c)AFP/ Lucy ADLER