【6月24日 AFP】(更新)イラクのハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相と、民族主義的な主張を掲げるイスラム教シーア(Shiite)派指導者ムクタダ・サドル(Moqtada Sadr)師は23日、先月の連邦議会選挙の結果を受けた新政権を樹立するため同盟関係を結んだと発表した。

 選挙では、サドル師と共産主義勢力による選挙同盟「改革への行進(Marching Towards Reform)」が定数329のうち54議席を獲得し、第1党となった。一方、アバディ首相率いる「勝利連合(Victory Alliance)」は獲得議席数が42で、第3党にとどまった。

 アバディ首相は23日、サドル師と会談するためシーア派の聖地である同国ナジャフ(Najaf)を訪問。両者は3時間の協議の後に共同声明を発表し、同盟関係を結んだことを明らかにした。

 声明は両者の同盟関係について、「新政権樹立を加速し、国民の望みを満たす諸原則で合意する」ことを目的に、「宗派主義や民族を超越する」ものだとしている。

 サドル師は今月、他の勢力とも同盟関係を結んだが、声明では言及されていない。

 同師は12日、親イラン派の元民兵からなるハディ・アメリ(Hadi al-Ameri)氏の「征服連合(Conquest Alliance)」と、それに先立つ7日には、シーア派のアマル・ハキム(Ammar al-Hakim)氏率いる「アルヒクマ(Al-Hikma)」、世俗派のアヤド・アラウィ(Iyad Allawi)副大統領との間で同盟関係を結んでいた。

「征服連合」は選挙で47議席を獲得して第2党となった。また、「アルヒクマ」は21議席、イスラム教スンニ(Sunni)派を中心とするアラウィ氏の勢力は19議席を獲得している。(c)AFP