【6月23日 AFP】男子テニスの伝説的選手でドイツ出身のボリス・ベッカー(Boris Becker)氏は22日、中央アフリカから与えられた旅券が同国の高官から「偽物」であると指摘されたにもかかわらず、英国で進められている破産手続きを免れるための外交特権を行使できるこのパスポートは本物だと主張した。

 通算3度のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)制覇の実績を誇るベッカー氏は、英BBCの取材に対して「このパスポートは中央アフリカの大使から受け取ったものだ。大統領とは何度も話しているし、(同国のスポーツ大使に)正式に任命された。与えられた文書は、本物であると確信している」と述べた。

 ベッカー氏の弁護団は先日、同氏が今年4月に中央アフリカの代表として欧州連合(EU)のスポーツ大使に任命されたことを受け、英高等法院に外交免除を求める申し立てをしていた。しかし、同国の高官は文書のシリアルナンバーが「2014年に盗まれた新品のパスポート」の一つと一致すると主張している。

 現在50歳のベッカー氏は4月、ベルギーのブリュッセルでフォスタンアルシャンジュ・トゥアデラ(Faustin-Archange Touadera)大統領と握手している写真をツイッター(Twitter)に投稿しており、BBCの記者に対して「近いうちに(中央アフリカの)首都バンギ(Bangui)を訪れ、状況を前進させる方法やこの誤解の解決策について個人的に人々と話すことは望むところだ」と語った。

 1985年にノーシードからウィンブルドンで優勝し、男子史上最年少となる17歳にして四大大会(グランドスラム)制覇を成し遂げてテニス界を揺るがしたベッカー氏は、翌年にも同大会でトロフィーを手にするなど、輝かしいキャリアを築いて獲得賞金総額は2500万ドルを超えた。(c)AFP