【6月26日 東方新報】インターネットで近頃、「理不尽な」雲南省(Yunnan)格安ツアーの動画が注目を集めた。この動画がもとで、雲南省観光執法総隊は同省内の店舗6軒と旅行会社1社、ガイド3人について調査し、その結果を発表した。

 動画によると、ツアー客は中国旅行社重慶支店から、重慶の団体組織社や雲南省のインバウンドツアーオペレーターに紹介される。現地のツアーオペレーターは、契約している高級店舗へとツアー客を連れて行き、キックバックによって利益を得るシステムだという。

 記者は、旅行客として中国旅行社重慶支店で4泊5日、2人で980元(約1万6400円)の格安ツアーに参加した。申し込み後、数日たってから、低価格ツアーの規定違反を恐れたのか、1人1500元(約2万5000円)に価格が変更されたと連絡があった。

 ツアー出発後、ガイドの一人が土産物屋に到着すると、ガイドは店から1800元(約3万円)のチップを受け取り、そこで別のガイドに交代。その後も観光地に着くたびにガイドが変わり、高価な品物が売られている店にばかりツアー客を案内した。

 土産物屋で取り扱っている商品は、宝石や中国伝統薬、装飾品などで、デパートなどよりも価格が高めに設定されており、一部の店の価格設定は市価の5倍の値段だった。買い物の時間が終わると、ガイドは合計金額を計算し、思わしい金額に達していないと、客に悪態をつくこともあった。

 旅行会社に対しては営業資格取り消しと30万元(約510万円)の罰金、会社の出資者3人はブラックリストに登録された。ガイド3人は資格を剥奪され、罰金2万元(約34万円)が科された。このほか、旅行会社代表はツアー客に買い物を強制した罪で刑事措置が取られ、ツアー客を受け入れていた数軒の店舗に対しては休止などの措置が取られた。(c)東方新報/AFPBB News