【6月21日AFP】作曲家ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)のオペラ「フィガロの結婚(The Marriage of Figaro)」第4幕の初稿譜が20日、フランス・パリで競売に掛けられたが、落札に至らなかった。

 モーツァルトが創作の絶頂期にあった1786年に作曲した自筆の楽譜は、専門家が「格別」と評しており、落札予想価格は50万ユーロ(約6400万円)だった。

 一方、同じく仏競売会社アデル・ノルドマン(Ader Nordmann)主催のオークションに出品されたロベルト・シューマン(Robert Schumann)のオラトリオ「ゲーテの『ファウスト』からの情景(Scenes from Goethe's Faust)」の草稿譜は、65万ユーロ(約8300万円)で落札された。

 アデル・ノルドマンはこの草稿譜について、「オーケストラ演奏用に編曲される前のさまざまな初期のスケッチ」を含んだ「類いまれな一品」と評していた。

 いずれの楽譜も、3年前に倒産した仏投資会社アリストフィル(Aristophil)が収集していたもので、差し押さえたフランス政府が競売に掛けた。

 アリストフィルは総額8億5000万ユーロ(約1090億円)もの投資家資金を希少な楽譜や歴史的文書のコレクションにつぎ込んでいた。押収された13万点は、複数の仏競売会社が今後6年かけて開く競売で売却される。(c)AFP