移動図書館、子どもたちの喜び乗せて今日も走る 攻撃相次ぐカブール
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【6月26日 AFP】青いバスのドアが開くと、大勢の子どもたちが興奮気味にステップを駆け上がった。普段は手に入りにくい本を一刻も早く読もうと待ち受けていたのだ。このバスは、アフガニスタンの首都カブール初の移動図書館だ。
移動図書館「チャーマグズ(Charmaghz)」はダリー語(アフガニスタンで使用されるペルシャ語)で「クルミ」の意味で、アフガニスタンではクルミの形が脳に似ているとされていることから名付けられた。公共のバスを改造したこの移動図書館がカブールのほこりっぽい通りを曲がりくねりながら走っていると、見逃すことはない。
移動図書館は児童や路上で暮らす子どもたちに、公立の学校や図書館では不足している児童書を無料で貸し出している。カブールでは、旧支配勢力タリバン(Taliban)とイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」による攻撃が激化し、市民は多くの犠牲を強いられている。親たちは心に傷を負い、中には家族を失ったことで打ちのめされている人もいる。家の外は危険が増しているため住民は家に閉じこもりがちとなり、多くの親が子どもを外に連れ出すのをやめた。そうした中で1日約300人の子どもが利用しているチャーマグズは、子どもたちが家の外で過ごせる数少ない場所にもなっている。(c)AFP/ Emal HAIDARY