【6月20日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は19日、ツイッター(Twitter)に「ドイツでは移民を受け入れてから犯罪が10%以上も増加した」と投稿し、ドイツの公式統計に疑問を投げ掛けた。不法移民の親子引き離し措置をめぐり非難を浴びる中、トランプ氏は前日にもドイツの移民政策を犯罪増加と結び付けて批判したが、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は統計と異なるとして一蹴している。

「米国は賢明であれ!」。トランプ氏は19日のツイートではこうも書き込んだ。前日も欧州の文化を暴力的に激変させてしまう人々を数百万人も受け入れたのは欧州の「大きな過ち」だと非難し、ドイツの犯罪は「増加している」と主張。ドイツ国民は移民政策をめぐり「指導者に背を向けた」とツイートしていた。

 トランプ氏は、米南部の国境地帯で行われている移民親子の強制的な引き離し措置をめぐり、中止を求める圧力を受けている。19日には「わが国への不法入国者は例外なく逮捕しなければならない」「国境がなくなれば、もはや国ではない!」とも書き込み、政権の姿勢を擁護した。

 2015年以降、100万人を超える移民を入国させたドイツでは、移民による複数の犯罪が注目を集め、国民の怒りを呼んできた。しかし内務省が先月公表した統計によれば、国内の犯罪率は1992年以降で最も低かった。

 統計では、外国人による犯罪の割合が過去5年で増加したことが示されているが、それを移民の流入と明確に結びつけることはできない。

 メルケル首相は19日、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領記者との共同記者会見で「統計を見れば分かるというのが私の返答だ」とトランプ氏の主張を退けた。(c)AFP