性同一性障害、精神疾患から除外 WHOが分類見直し
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【6月20日 AFP】世界保健機関(WHO)は、18日に発表した最新の疾病分類で、心と体の性が一致しない性同一性障害(GID)を精神疾患から外すべきとの判断を示した。
WHOは、病気やけが、死因など5万5000項目をまとめた「国際疾病分類(ICD)」の最新版の中で、性同一性障害を示す「性別不合(gender incongruence)」を、「精神・行動・神経発達障害」ではなく「性の健康に関連する状態」に分類。性別不合の定義を「個人の経験する性(ジェンダー)と、指定された性(セックス)の間での、顕著かつ持続的な不一致」としている。
WHO生殖保健・研究部のラレ・サイ(Lale Say)調整官は19日、AFPに対し、分類の見直しによって「こうした個人の社会的受容に向け、スティグマ(汚名)を減らすことができる」と指摘。疾病分類は医師や保険会社によるサービス提供範囲の判断に使われているため、精神疾患から外されたことで医療を受けやすくなる可能性もあると述べた。
分類は、国連(UN)加盟国が来年5月にスイス・ジュネーブで開く世界保健総会(World Health Assembly)で採択されれば、2022年1月1日から効力を発する。性同一性障害については、フランスやデンマークなど複数の国がすでに分類を見直し、精神疾患から外している。(c)AFP