ベッカー氏のパスポートは「偽物」、中央アフリカ
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【6月19日 AFP】中央アフリカは19日、英国で進められている破産手続きについて外交特権を主張している元テニス選手ボリス・ベッカー(Boris Becker)氏のパスポートは「偽物」だと発表した。
中央アフリカの外務省首席補佐官はAFPに対して「彼が所有しているパスポートは偽物だ」と話し、文書のシリアルナンバーは「2014年に盗まれた新品のパスポート」の一つと一致するとしている。また、パスポートには外相の署名や押印はなく、AFPもコピーを確認している。
ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を通算3度制覇した実績を誇るドイツ出身のベッカー氏の弁護団は先日、同氏が4月に中央アフリカのスポーツ大使に任命されたことを受け、英高等法院に外交免除を求める申し立てをしていた。
ベッカー氏は長年滞納していた借金を返済できていないとして破産宣告を受けたが、弁護団は1961年に採択された「外交関係に関するウィーン条約(Vienna Convention on Diplomatic Relations)」が適用される可能性があると主張している。
首席補佐官は、政府記録の中に「ベッカーの職務略歴は存在しない」としている。さらにパスポートにはベッカー氏の外交的な役割は財務と記されているため、スポーツの問題と何の関係もないと話している。
50歳のベッカー氏は4月、ベルギーのブリュッセルでフォスタンアルシャンジュ・トゥアデラ(Faustin-Archange Touadera)大統領と握手している写真をツイッター(Twitter)に投稿している。
当時17歳だった1985年にノーシードからウィンブルドンで優勝し、男子史上最年少で四大大会(グランドスラム)制覇を成し遂げてテニス界を揺るがしたベッカー氏は、翌年に連覇を達成。輝かしいキャリアを築いて獲得賞金総額は2500万ドルを超える。(c)AFP