【6月18日 AFP】サッカー韓国代表の申台龍(Tae-Yong Shin、シン・テヨン)監督は17日、W杯ロシア大会(2018 World Cup)の対戦相手をかく乱するため、親善試合で意図的に選手に違う背番号をつけさせたと明かした。

 申監督は、今月上旬にオーストリアで行われた親善試合のボリビア戦とセネガル戦で、偵察を欺くために孫興民(Heung Min Son、ソン・フンミン)とキャプテンの寄誠庸(Sung-Yueng Ki、キ・ソンヨン)以外の選手に異なるシャツを着させたとしている。

 この仰天の事実はスウェーデンとの初戦の24時間前に明かされた。一見すると見所に欠ける組み合わせだが、スウェーデンのスパイ行為と韓国の背番号の策略によって新たなスパイスが加えられている。

 スウェーデンのヤンネ・アンデション(Janne Andersson)監督は、スカウトの一人が11日にオーストリアで行われた対戦相手の非公開練習でスパイ行為をしていたことが明らかになり、記者会見で謝罪を余儀なくされた。しかし韓国の背番号のシャッフルにより、グループFの対戦は陰謀合戦の様相を呈している。

 申監督は報道陣に対し、「(孫と寄以外の)選手が背番号を変えることで少し混乱させた。西洋人がアジア人を見分けるのはとても難しいのでそうした」と話している。策略が裏目に出たのか、韓国はセネガルに0-2で敗れ、ボリビアと0-0で引き分けている。

 スウェーデンのスパイ行為について問われると申監督は「悪いことだとは思わない」とコメントし、すべてのチームが対戦相手のことを知る必要があると付け加えた。

 騒動の中心人物となったスウェーデンのスカウト、ラッセ・ヤコブセン(Lasse Jacobsson)氏は、韓国の調整を極秘に偵察していたと報じられている。

 ヤコブセン氏は、スウェーデンの初戦の相手韓国を「スパイ」するためにオーストリア・ザルツブルク近郊のレオガング(Leogang)の一室を借りていたという。

 騒動の火消しを図るアンデション監督は、「彼は練習のことを聞いていたが、非公開だということを理解していなかったので、遠くからそれを見ていた」と弁明している。(c)AFP/David HARDING