インド首都、夏季にはまれな大気汚染 安全基準20倍のスモッグ
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【6月15日 AFP】インドの首都ニューデリーは14日、砂漠からの砂に覆われるという10年に一度の現象に見舞われ、大気汚染が冬以外ではほとんど見られない危険なレベルに達した。
医師らは、夏季の熱風に運ばれて来る砂が人口約2000万人の同市に深刻な健康上の危険をもたらし、「雨乞い」以外にできることは皆無に等しいと警告している。
気温が45度まで上がる夏季には、スモッグは軽減し汚染レベルは通常下がる。
しかしニューデリーは同日朝、インド西部を中心に広がる砂漠から強風で巻き上げられた砂が、同市がある平野部全域に広がったため、息が詰まるような熱気に加え、安全値の20倍のスモッグに見舞われた。
民間気象情報サービスの気象・気候変動専門家はAFPに対し、「冬季の大気汚染とはかなり異なっている。今回の問題の原因は砂ぼこりだ。多くの人々に呼吸障害をもたらしかねない」と話した。
世界保健機関(WHO)は、直径10マイクロメートル以下の微小粒子状物質「PM10」濃度の安全基準を、1立方メートル当たり50マイクログラム以下と規定している。
在インド米大使館は公式ウェブサイトで、14日のPM10濃度が1立方メートル当たり900マイクログラムを超えたと発表。またインド国内の汚染監視機関の調べでは、PM10濃度は安全基準の26倍、1300マイクログラム近くに上ったという。(c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA