【6月15日 AFP】日本のビール大手キリンホールディングス(Kirin Holdings)は、ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州での人道支援のため昨年寄付した資金が、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)を排斥したと非難されている同国治安部隊に渡ったかどうか調査していると表明した。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は14日発表の報告で、キリン傘下のミャンマー企業で、国の支援を受けるミャンマー・ブルワリー(Myanmar Brewery)を通じ、広い範囲で残虐行為をしたと非難を受けている同国治安部隊に少なくとも6000ドル(約66万円)が渡ったと主張している。

 寄付が行われたのは、ロヒンギャの武装集団が昨年8月に行った警察施設襲撃の数日後。この襲撃をきっかけとする軍事作戦により、約70万人のロヒンギャがバングラデシュへの避難を余儀なくされた。

 キリンはAFPの取材に対し、ミャンマー・ブルワリーは9月1日から10月3日までの間、人道支援に使うとの条件で3回にわたり当局に寄付を行ったと説明した。

 キリン広報は、1回目の寄付に軍当局者が立ち会っていたが、キリン側は寄付金が救援活動に使われると考えていたと説明。食品類を含む2、3回目の寄付は被害者らに直接手渡されたとした。また、寄付金の追跡が十分でなかったとの批判を「真剣に受け止めている」とし、調査が終了するまですべての資金提供を停止すると表明した。(c)AFP