【6月14日 AFP】2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)に出場するイングランド代表チームが、英情報機関・政府通信本部(GCHQ)の国家サイバーセキュリティーセンター(NCSC)から、ロシア滞在中にハッカーから個人情報などを守るための、セキュリティ対策講習を受けていたことが明らかになった。

 ロシアのハッカーは近年、世界規模のサイバー攻撃で混乱を引き起こしており、英国の自転車競技選手、ブラッドリー・ウィギンス(Bradley Wiggins)氏も標的にされたことがある。

 イングランドサッカー協会(FA)は、ギャレス・サウスゲイト(Gareth Southgate)監督率いる代表チームがW杯ロシア大会期間中に個人情報の漏えいなどの被害に遭うのを防ごうと、専門家らに講習を依頼。講習会はセントジョージズ・パーク(St. George's Park)の協会本部で開かれた。イングランド代表はすでに12日にロシア入りしている。

 英紙デーリー・メール(Daily Mail)によると、代表チームの選手らの携帯電話やモバイル機器には、英国に帰国しないと削除することができないセキュリティ対策ソフトが導入された。また講習会では主将のハリー・ケーン(Harry Kane)以下選手らに対し、ロシア滞在中に自分のオンライン銀行の口座にアクセスしないこと、ハッキングされて公になった場合に困るようなオンライン活動はしないこと、といった注意が与えられた。さらに選手らは、宿泊先のホテルの室内で所持品を隠す方法についても指導を受けたという。

 またロシアへ渡航する英国人ファンに対しても、安全上の注意が呼び掛けられている。(c)AFP