教会や学校での児童性的虐待、豪首相が被害者らに公式謝罪へ
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【6月13日 AFP】オーストラリアのマルコム・ターンブル(Malcolm Turnbull)首相は13日、教会や学校など組織・施設内での児童性的虐待の被害者らに公式に謝罪することに同意した。問題の大きさを明らかにした被害者らの勇気と痛みを認めた決定だ。
これは王立委員会が5年間にわたる調査でオーストラリアの教会、児童養護施設、スポーツクラブ、青少年団体、学校などで長年にわたって行われてきた痛ましい児童性的虐待事例数千件の詳細を明らかにしたことを受けた措置。昨年12月に公開された王立委員会の最終報告書には、公式謝罪を含む409件の勧告が付されていた。
ターンブル首相は「私がこれまでに会ってきた生存者と耳にしてきた彼らの話に動かされた。しかしあなた方が経験した、守ってくれるはずの人や組織による裏切りについてはわずかしか理解していない」と述べ、さらに「10月22日、ここキャンベラで私は組織的な児童性的虐待の犠牲者、それを耐え抜いた人々やその家族に国家として謝罪するつもりだ」と語った。
10月22日の週は、同国の子ども週間に当たる。同首相によると「過去を認め、同時に未来のオーストラリアの子どもたちの幸福と安全を誓うために」この日を選んだという。
王立委員会の調査によって、オーストラリアの機関が数万件の性的暴行事件について児童保護に関する「深刻な失敗」を犯してきたことが明らかになった。
公聴会では、児童性的虐待の被害者1万5000人以上が自らの体験について、つらさに耐えながら証言を行った。中には数十年前の被害について証言した人もいた。児童性的虐待により、4000以上の組織が告発された。(c)AFP