サヘル地域で食糧危機が悪化、600万人が食糧入手困難 国連事務次長
発信地:国連本部/米国
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【6月13日 AFP】国連(UN)のマーク・ローコック(Mark Lowcock)事務次長(人道問題担当)は12日、アフリカ・サハラ砂漠(Sahara Desert)南部一帯のサヘル(Sahel)地域で食糧危機が悪化し、栄養失調に陥っている人々の割合が2012年以降で最悪のレベルにまで急増していると警鐘を鳴らした。
ブルキナファソ、チャド、マリ、モーリタニア、ニジェール、セネガルでは約600万人が食糧の入手に苦労しており、子ども160万人が深刻な栄養失調に陥っている。
ローコック事務次長は声明の中で「数百万人分の備蓄食糧が既に底を突いた。多くの家族が食事を切り詰め、食費を確保するために子どもたちを学校にやらなかったり、必要な医療を受けなかったりしている」と述べた。
上記6か国の重度急性栄養失調の人々の割合は昨年から50%増加した。子どもの6人に1人が治療を必要としているという。
ローコック事務次長は、作物の収穫量が減る時期が迫っており、食糧支援を必要とする人の数は650万人に増える恐れがあると警鐘を鳴らし、「最悪の事態」を避けるためサヘル地域への食糧支援を拡大することが必要だとして、ドナーに一層の拠出を求めた。(c)AFP