【6月11日 AFP】タイ東部の海岸で4日、プラスチックの破片や輪ゴムなどが腹部に詰まっていたアオウミガメが発見され、救命措置のかいなく死んだ。同国では今月、プラスチックごみをのみ込んだクジラの死が広く報じられたばかりで、海洋汚染の問題が改めて浮き彫りとなった。

 タイはプラスチック消費量において世界最大の国の一つで、プラスチックが原因で毎年、海洋に生息する哺乳類および爬虫(はちゅう)類数百匹が死んでいる。

 そうした中、同国東部チャンタブリー(Chanthaburi)県の浜辺で4日、絶滅が危惧されているアオウミガメ1匹が打ち上げられているのを獣医師が発見。

 このアオウミガメの腸には、プラスチックや輪ゴム、風船などのごみが詰まり、食物を摂取することができなくなっていたため、2日後に死んでしまった。

 この獣医師はAFPに対し、「弱ってしまっており、泳ぐこともできなくなった」と説明し、「主な死因は海洋ごみだ」と指摘。消化器官に詰まったごみをX線で発見し、栄養を静脈内投与して救命を試みたが死んでしまい、死後にごみを取り出したという。

 獣医師によれば、これまでに同地域の海辺に打ち上げられたアオウミガメの約10%が、プラスチックをのみ込んだり、ごみによって感染症を患ったりしていたが、今年は約50%がごみに関連していたという。(c)AFP