【6月11日 AFP】中国の18世紀の皇帝、乾隆帝(Emperor Qianlong)が所有していたとされる「抱月瓶」と呼ばれる希少な磁器がフランスで競売にかけられ、激しい入札競争の末、410万ユーロ(約5億2900万円)で落札された。

 200年以上前に作られた青と白のこの磁器を、約10分間続いた入札で中国人の買い手17人を抑えて競り落としたのはフランス人女性。これについて競売業者は、「歴史に残り、語り継がれる」落札と形容している。

 諸経費を含めた総額は、入札開始価格50万ユーロ(約6450万円)の10倍の500万ユーロ(約6億4500万円)を上回った。

 乾隆帝は在位期間が最も長い中国皇帝の一人で、その治世は18世紀の大半にわたり、芸術作品の熱心な収集家でもあった。

 この抱月瓶には、ハスの花弁に8つの仏教のシンボルがあしらわれ、皇帝の印が付されている。今年4月、フランスのある城で骨董(こっとう)品の鑑定中に偶然発見されたという。(c)AFP