ドイツで難民申請中に少女を暴行・殺害、イラクに逃亡した男を拘束・送還
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【6月10日 AFP】イラク北部クルド人自治区当局とドイツの報道によると、ドイツで難民認定申請中に14歳の少女に性的暴行を加えて殺害した男が、逃亡先のイラク北部で8日に身柄を拘束された。男はドイツに送還され、9日にフランクフルトに到着した。
アリ・バッシャール(Ali Bashar)容疑者(20)は、ドイツのウィースバーデン(Wiesbaden)でスザナ・マリア・フェルトマン(Susanna Maria Feldman)さん(当時14)をレイプした後、首を絞めて殺害したことを認めている。バッシャール容疑者が家族と共に国外逃亡していたと認めたことで、ドイツ国内では激しい怒りの声が上がっていた。
ドイツメディアの報道によると、イラクとドイツは正式な犯罪人引き渡し条約を結んでいないが、バッシャール容疑者はクルド人自治区の中心都市アルビル(Arbil)からルフトハンザ航空(Lufthansa)の便でフランクフルトに送還された。
警察によると、バッシャール容疑者はフランクフルトで取り調べを受け、ヘリコプターで近隣のウィースバーデンの警察署に移送されることになっている。
この事件を受けて、2015年の欧州難民危機のさなかに国境を開放し100万人以上の難民認定希望者をドイツに入国させたアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)政権に対する反発がいっそう強まっている。
バッシャール容疑者は2015年、両親と5人のきょうだいと共にドイツに入国した。2016年12月に難民認定申請が却下されたが、異議申し立てに対する判断が出るまでの一時滞在許可を得た。この一時滞在期間中に、バッシャール容疑者はけんか、強盗の容疑、法律で禁じられている飛び出しナイフの所持などで何度か警察の厄介になった。
バッシャール容疑者には同じ難民収容施設で暮らしていた11歳の少女に他の容疑者らと共に性的暴行を働いた容疑も掛けられている。(c)AFP