【6月19日 AFP】米コロラド州のハンバーガー店「シューターズ・グリル(Shooters Grill)」で、銃が置いてあるのはキッチンだけではない――ウエートレスたちも銃を携帯している。さらに客もだ。

 入り口に掲げられた看板には、「敷地内での銃、歓迎」と書かれている。この人口9500人の小さな町、その名も「ライフル(Rifle)」だ。

 板張りの店には、「警告:銃携帯禁止区域ではありません」や「アメリカに神のご加護を」というような掲示が掲げられている。

 ローレン・ボーバート(Lauren Boebert)さんは2013年、夫のジェイソンさんとこの店をオープンした。しかしほどなくして、近所で男性が殴り殺される事件が起き、ローレンさんはどうすれば自分とスタッフの身の安全を守れるか悩むようになった。「どうしたら自分と店のスタッフを守れるのだろう。警察を呼んだとしても、間に合うだろうか?」

 ちょうど隣にあったガンショップのオーナー、エドワード・ウィルクス(Edward Wilks)さんに助言を求めると、コロラド州では特定の火器を人の目に触れる形で携行する「オープンキャリー」が認められていると教えられた。

 ボーバートさんは翌日から、トーラス(Taurus)社のリボルバー「ジャッジ(Judge)」を腰につけ始めた。「違和感は全くなく、客も気に留めなかった」

 数週間後、店のウエートレスたちが、自分も銃を携行してもいいかと聞いてきたという。この結果、シューターズ・グリルは、「オープンキャリー」で知られるレストランになった。

「これは客寄せのためではなかった。ただ単に私たち全員を守るためのものだった」と、ボーバートさんは語った。(c)AFP/Emily Kask