【6月9日 AFP】中国政府のハッカー集団が米海軍の下請け業者から、新たな潜水艦発射型の対艦ミサイル開発の秘密計画を含む、大量の機密データを盗んだと米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が8日、報じた。

 複数の米捜査官が同紙に語ったところによるとデータは今年の1月と2月に中国・広東(Guangdong)省を拠点に活動する国家安全部の一部門によって盗まれた。

 下請け業者の名は報じられていないが、この業者はロードアイランド州ニューポート(Newport)にある海軍海中戦センター(Naval Undersea Warfare Center)の仕事に従事しているという。同センターは潜水艦および海中兵器システムの研究開発を行っている。

 ワシントン・ポストによると、ハッカー集団が盗んだのは614ギガバイトのデータで、センサー、潜水艦暗号システム、さらにほとんど知られていないシー・ドラゴン(Sea Dragon)計画に関連する情報を含んでいる。

 米国防総省は、2012年に始まったシー・ドラゴン計画について多くを発表しておらず、既存の軍事技術を新たな用途に適応させるものだとだけ明らかにしている。

 ワシントン・ポストは海軍の要請により、盗まれた新ミサイルシステムに関する情報の報道を控えたが、その情報は潜水艦から発射可能な超音速対艦ミサイルに関するものだとしている。

 米海軍のビル・スピークス(Bill Speaks)報道官(中佐)は安全保障上の理由で同紙の報道内容の確認を拒否した。(c)AFP