【6月9日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は8日、先進7か国(G7)の枠組みにロシアを復帰させるべきだとの考えを示した。一方、フランス大統領府は同日、欧州のG7参加国はトランプ氏の呼び掛けに反対することで一致していると表明。同氏の発言は、米政府と西側同盟諸国の亀裂をさらに深めるものとなっている。

 トランプ大統領は、カナダ・ケベック(Quebec)州ラマルベー(La Malbaie)でのG7首脳会議(サミット)に出発する際、大統領専用機に乗り込む前に「彼ら(G7)はロシアを追い出した。ロシアを復帰させる必要がある。ロシアを交渉の席につかせる必要があるからだ」と発言。G7を2014年以前の主要8か国(G8)の枠組みに戻すことを呼び掛けた。

 ロシアは同年、ウクライナのクリミア(Crimea)半島を併合したことをめぐり、G8から除外された。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相、テリーザ・メイ(Theresa May)英首相、ジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)伊新首相はG7首脳会議を前に行った会談で、ロシアに対して一致した姿勢を取ることで合意した。

 ただ、マクロン氏の側近は記者らに対し、首脳らはロシアと「対話を確立する可能性」は残したと述べた。

 初のG7首脳会議出席となるコンテ氏は合意に先立ち、トランプ氏によるロシア復帰の呼び掛けを支持する考えを示していた。(c)AFP/Michel Comte with Dave Clark in Quebec City