【6月8日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は7日、国民と電話で対話するテレビ番組に出演し、米国の貿易関税や米欧による新興財閥(オリガルヒ)への制裁を批判した。

 毎年恒例となっているこの番組では、国民が自由なテーマでプーチン氏に質問することができ、同氏はこれまで恋愛やクリミア(Crimea)半島、地方の道路状態などさまざまな話題について語ってきた。

 放送は約5時間にわたり、3月の大統領再選以降、初めて同番組に参加したプーチン氏は冒頭で「総じてわれわれは、完全に正しい方向に進んでいる。経済は持続的な成長に向かっている」と司会者2人に向けて発言した。

 ただ、ロシア経済はクリミア併合後に米欧が科した制裁によって2014年に危機的状態に陥って以降失速しており、「取り組むべき問題は複数ある」とも述べた。

 プーチン氏は、金属業界の大物でロシア政府のために活動しているとされる資産家のオレグ・デリパスカ(Oleg Deripaska)氏が米国による制裁の対象となったことや、サッカーのイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)のオーナー、ロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏の英国の査証(ビザ)発給が遅れていることにも言及。ロシア人実業家らに対する「迫害」だとして非難した。

 さらに、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が米国の同盟国に科した貿易関税をロシアに対する西側諸国の制裁になぞらえ、「形式は異なるものの、制裁措置だ」との見解を表明。米国支配に苦しむことになると何年も前に欧州各国に警告したと付け加えた。(c)AFP/Victoria LOGUINOVA-YAKOVLEVA and Theo MERZ