中国での異常音、ほかの米職員らも被害か 数人が帰国し検査
発信地:ワシントンD.C./米国
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【6月7日 AFP】中国で米政府職員1人が異常な音によって脳を損傷した問題で、米国務省は6日、同様の原因不明の傷を負った可能性があるとして、複数の政府職員らを米国に帰国させたことを明らかにした。米国でさらに詳しく検査する。同様の症状は先にキューバでも米外交官らが訴えており、問題がさらに広がる様相を呈している。
国務省のヘザー・ナウアート(Heather Nauert)報道官の声明によると、同省は中国南部の都市、広州(Guangzhou)配属の政府職員が5月、軽度外傷性脳損傷(MTBI)と診断されたことを受けて、医療チームを現地に派遣。希望する職員やその家族には受診してもらった上で、気がかりな症状を訴えている人らに医学的なスクリーニングを行っていることを明らかにした。
ナウアート報道官は「米国人とその家族の安全と無事が最優先事項だ」と強調している。
キューバでは昨年、駐在する米外交官とその家族計24人が謎の攻撃を受けて、脳損傷のような傷を負った。米当局者は、広州に駐在していた職員の症状はキューバ駐在の米外交官らのものと一致していると説明している。キューバではこのほか、カナダの外交官とその家族計10人も奇妙な症状を示している。
マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は5日、キューバと中国で発生したこの原因不明の病気を扱う対策チームを設置したと発表した。
中国が音響兵器のようなものを開発したのではないかという懸念も再燃しているが、国務省の6日の声明では中国で意図的な攻撃が行われた可能性には一切言及していない。(c)AFP