【6月7日 AFP】イラク連邦議会は6日、先月の総選挙で不正があったとの主張を受けて手作業による再集計を命じ、投票を監督した選挙管理委員会を解散させた。

 投票は5月12日に行われ、予想に反し、ポピュリスト的な主張を掲げたイスラム教シーア派(Shiite)指導者、ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師が勝利を収めていた。

 再集計は全ての投票所について行われ、1100万票近くが対象となる。9人から成る独立の選挙管理委員会は解散させられ、判事らが職務を代行する。

 この選挙ではサドル師と共産主義勢力による選挙同盟「改革への行進(Marching Towards Reform)」が勝利。新政権樹立に向けた交渉が行われる一方、混乱が生じている。

 今回の選挙ではイラクで初めて電子投票機が使われたが、複数の情報機関によると、投票機の検査で集計結果にばらつきが出たことで、不正疑惑に信ぴょう性が生まれた。

 イラク政治の専門家らによると、再集計でも獲得議席数は大きく変わらない見通し。

 だが、政治アナリストのエッサム・アルフィリ(Essam al-Fili)氏はAFPに対し、ハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相を暫定的に留任させるよう求める声が上がる可能性もあると指摘。武装勢力と関係している政治組織が複数存在する国では特に、そうした展開によって「政治的緊張が生じ、別の結果につながり得る」との見方を示した。 (c)AFP/Omar al-Kateb