【6月7日 AFP】(更新)米ニューヨークの自宅で自殺したファッションデザイナーのケイト・スペード(Kate Spade)さん(55)について、夫のアンディ(Andy Spade)さんが6日、うつや不安症の治療を5年前から受けていたとの声明を発表した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に掲載された声明によると、スペードさんは「この5年間、うつと不安症で助けを積極的に求めていた。定期的に医師の診察を受け、うつと不安症の薬を飲んでいた」という。

 一方、スペードさんの姉レタ・サッフォ(Reta Saffo)さんはこれに先立ち、スペードさんは数年前から精神疾患に苦しんでいたが治療を拒んでいたとする電子メールを、ニューメキシコ州サンタフェ(Santa Fe)の自宅から地方紙カンザスシティー・スター(Kansas City Star)に送信。妹の死は「予想外ではなかった」「本人が必要としている治療(入院)を受けさせるため、この3〜4年で何度かナパ(Napa)やニューヨークを訪れた」とつづっていた。

 スペードさんは5日、ニューヨークのパーク街(Park Avenue)にある自宅アパートで、遺体で発見された。米芸能情報サイト「TMZ」は警察関係者の話として、スペードさんが夫のアンディさんから離婚を求められたことから、ここ数週間にわたりうつ状態にあったと報じている。

 アンディさんは、スペードさんとは別居していたが同じ地区に暮らし、協力して娘(13)を育てていたと説明。「娘が最優先だった。法的に離婚はしておらず、離婚について協議したこともなかった。私たちは、最善の方法で問題を乗り越えようとする親友だった」「互いにとても愛し合っていたが、ちょっと休憩が必要だったんだ」と述べている。

 一方のサッフォさんは、スペードさんについて「常にとても興奮しやすい少女だった」と評した上で、自身のブランド「ケイト・スペード・ニューヨーク(Kate Spade New York)」からの「ストレスやプレッシャーでスイッチが入り、最終的に本格的なそううつ病になったのかもしれない」と語っている。

 スペードさんはサッフォさんの説得で治療施設に入る「寸前」までいったものの「結局は、ブランドの『イメージ』(楽天的なケイト・スペード)を崩さないことが、本人にとってもっと重要だった。(入院したことが)人に知れたらなんと言われるかを間違いなく心配していた」という。

 サッフォさんはアンディさんの助けも借りて「何度も」妹を入院させようとしたが、最終的には諦めたと説明。「レタが葬儀を嫌いなのも参列しないのも分かっているけれど、せめて私の(葬儀)にはどうか来て、お願いだから」と最近スペードさんから言われたことを明らかにした。サッフォさんは妹が自殺を計画していることを疑ったが、本人はそれをかたくなに否定したという。(c)AFP