【6月5日 CNS】穀物大手の中糧集団が開発したスマホアプリ「粮圏児」(通称:穀物銀行)が、オンラインで現在の穀物の売り値を確認できることから、農家の人気を集めている。

 農民は収穫した作物を、同社の倉庫に保管し、売りたいときに売ることができるため、物流コストや作物が傷むリスクを減らせるという。アプリは、「乾燥、保管、分割での売却、資金サポートなど、農業の各種サービスを提供している」と、中糧集団の中糧貿易農業産業化部の陳涛(Chen Tao)総経理は説明する。

 中糧貿易遼寧・農業産業化部の王松(Wang Song)部長は、「遼寧省(Liaoning)を例にとると、トウモロコシの生産量は年間約1400万トンで、約6%のロスが出るが、作物をすぐに倉庫に入れてもらうことで、腐敗などによるロスが大幅に減少し、1年で16億元(約270億円)の節約につながっている」と述べた。

 中糧貿易ビッグデータ農業の王志国総経理補佐は、「アプリによって、作物の保管問題は解決できたが、農家が資金不足から穀物の売却を迫られる問題がまだ残っている。今後、穀物を担保とした融資など、金融サポートを提供していきたい」と述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News