「同性婚ケーキ」裁判、サービス拒否の店主勝訴 米最高裁が判決
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【6月5日 AFP】米コロラド州の洋菓子店が同性カップルからのウエディングケーキのデザイン依頼を拒否したことをめぐる裁判で、連邦最高裁判所は4日、店側の主張を支持する判決を下した。同裁判は、信教の自由と同性愛者の権利が衝突した事例として注目されていた。
この問題では、洋菓子店マスターピース・ケーキショップ(Masterpiece Cakeshop)を経営するジャック・フィリップス(Jack Phillips)さんが、キリスト教の信仰を理由に同性カップルに対するサービスを拒否。コロラド市民権委員会(Colorado Civil Rights)は、同店が性的指向にかかわらず客へのサービスを提供しなければならないと判断していた。
だが最高裁では、判事9人のうち7人が店側の主張を支持。同委員会がフィリップスさんの「誠意ある宗教的信念に対し、明白かつ許されない敵意」を示し、合衆国憲法修正第1条(First Amendment)で保障されている信教の自由を侵害したとの結論が下された。ただ判決では、宗教的見解に基づき同性愛者に対する商品やサービスの提供を拒否できるかという問題については判断を避けており、この点に関して今後も議論がくすぶる可能性が高い。
アンソニー・ケネディ(Anthony Kennedy)判事は判決文で、他の同様の事案に関しては法廷でのさらなる審理が必要だと説明。一方で、「こうした紛争は誠意ある宗教的信念に対する不適切な蔑視も、自由市場で財やサービスを求める同性愛者に対する侮辱もなしに解決されなければならない」との考えを示した。
裁判で原告のチャーリー・クレイグ(Charlie Craig)さんとデービッド・マリンズ(David Mullins)さんの代理を務めた米国自由人権協会(ACLU)は今回の判決について、すべての人に対する公正な商慣行を守るとの中核的な原則にとっての勝利だと言明。クレイグさんとマリンズさんは声明で、今後も差別と闘い続けると表明している。(c)AFP