【6月4日 AFP】(更新、写真追加)緊縮財政政策に対する抗議デモが続いていたヨルダンで4日、ハニ・ムルキ(Hani al-Mulki)首相が辞任した。政府関係筋が明らかにした。

 同国のアブドラ・ビン・フセイン国王(King Abdullah II)はこの日、首相を呼んで会談を実施。関係筋はAFPに対し、「ハニ・ムルキ首相は昼頃、宮殿での会議中、国王に辞表を提出した。国王は辞任を了承した」と語った。また国王はオマル・ラッザーズ(Omar al-Razzaz)教育相に組閣を要請したという。

 これに先立ち同国政府は、国際通貨基金(IMF)の勧告に基づき、所得税改革法案を承認し、電気や燃料価格の引き上げを発表。これを受けて先月30日から首都アンマンや複数の都市で抗議デモが発生していた。

 デモ参加者らは「屈服」しないと誓いながら、ムルキ首相の辞任を要求。法案に反対する多数の国会議員や労働組合からの支持も得ていた。国王が首相を呼ぶ数時間前には、アンマンにある首相府外には約5000人が大挙して押し寄せたという。(c)AFP