【6月6日 AFP】今年独立100周年を迎えるリトアニアの中央銀行は世界初となるコレクション用仮想通貨の発行を計画しており、首都ビリニュスで2日、技術者たちが一堂に会してプログラムを開発するイベント「ハッカソン」を開催した。

 このイベントで優勝したウクライナの情報技術(IT)開発者チーム設計の試作品は、いわゆる分散型台帳技術と呼ばれる既存のブロックチェーンに基づいたものではなかった。

 ビットコインなどさまざまな仮想通貨の取り引きを支えるP2P(ピアツーピア)プラットフォームは、分散的で一元管理を不可能とするものだが、これに対してリトアニアの中央銀行は、よりプライベートで管理しやすいシステムの導入に意欲を燃やしている。

 今回のイベントで審査員を務めたコレクターでもある貨幣学者のユリュス・ヤンカウスカス(Julius Jankauskas)氏は「今回のプロジェクトは実体のある通貨とつながった仮想通貨を発行することが狙い」と説明。「購入者はこの仮想通貨を買って、複数回売却することができる。もしも銀行で実体のある通貨と交換すると、仮想通貨の価値は失効する」と述べている。

 リトアニア中央銀行は今年中に仮想通貨の鋳造や金種、発行日について決定する予定だという。

 今回の仮想通貨発行は、地図上から123年間消え去っていたリトアニアが、再び独立国家となった1918年から100年を迎えることを記念するイベントの一環と位置付けられている。(c)AFP