イエメン内戦、ホデイダ港の奪還作戦で100人超死亡
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【6月3日 AFP】内戦が続くイエメンの西部ホデイダ(Hodeida)で、イスラム教シーア派(Shiite)系の反政府武装組織「フーシ派(Huthi)」から港を奪還する暫定政権の軍事作戦で4日間に100人以上が死亡した。医療関係者や軍関係者が2日、明らかにした。
紅海(Red Sea)に面したホデイダ港は、2200万人が深刻な食糧難に陥っているイエメンに人道支援物資を配送する主要拠点。2014年からフーシ派が掌握している。
サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)の支援を受けた暫定政権側の部隊は先週、ホデイダに進攻し、港の奪還作戦を開始したと発表していた。
暫定政権が拠点を置く南部アデン(Aden)の医療関係者は2日、6月1~2日の2日間で52人の遺体を収容し、このうち20体が暫定政権側の兵士だったと語った。他の遺体はフーシ派戦闘員とみられる。これにより5月30日から続く軍事作戦の死者は少なくとも110人に達したという。
暫定政権を支援するサウジアラビア主導の連合軍関係者は2日、ホデイダ沿岸のal-Durayhmi地区で暫定政権側の部隊の車列がフーシ派の待ち伏せ攻撃を受けたと語った。
国際的に承認されたアブドラボ・マンスール・ハディ(Abedrabbo Mansour Hadi)暫定大統領の復権を最終目的とする軍事作戦は2日現在も続いている。
フーシ派は数か月前から暫定政権を軍事支援する隣国サウジへのミサイル攻撃を強めており、サウジ主導の連合軍は、ホデイダ港を拠点として紅海上の船舶を攻撃したりロケット弾を密輸したりしているとしてフーシ派を非難している。
イエメンでは2015年3月にサウジアラビア主導の連合軍がフーシ派掃討作戦に介入して以来、これまでに1万人近くが死亡。さらにコレラ感染で約2200人が死亡しているうえ、数百万人が飢餓状態にあることから、国連(UN)は世界有数の深刻な人道危機と指摘。先週には、ホデイダ港でのいかなる軍事作戦も支援物資輸送の妨げとなると警告していた。イエメン向けの支援物資は70%がホデイダ港を経由している。(c)AFP