【6月2日 AFP】米フロリダ州で、白人警官に射殺された黒人男性の遺族が起こしていた不法死亡訴訟で陪審が、残された男性の3人の子どもたちに対し1人あたり1ドル(約110円)の損害賠償を認めるとの判断を下し、後にその賠償金が4セント(約4円)に減額された。このことを受けて、クラウドファンディングサイト「ゴー・ファンド・ミー(GoFundMe)」に、子どもたちへの寄付を呼び掛ける専用のページが開設された。

 グレゴリー・ヒル(Gregory Hill)さん(30)は2014年1月14日、フロリダ州フォートピアス(Fort Pierce)の自宅で、白人のクリストファー・ニューマン(Christopher Newman)郡保安官代理に射殺された。ヒルさんの遺族はこれを不法死亡だとして提訴した。

 陪審は先週、警察側にも過失があったとして、ヒルさんの母親は葬儀費用として1ドル、3人の子どもたちはそれぞれ1ドルの損害賠償金を認められた。

 しかし過失の割合は警察側が1%とする一方、ヒルさんは99%と判断されたため、賠償金は後に4セントに減額され、さらに判事はこれを0ドルすることが予想されている。

 ヒルさん遺族の弁護士ジョン・フィリップス(John Phillips)氏によると、警察が騒音の苦情に対応するためヒルさんの自宅に到着した際、ヒルさんはガレージで音楽を聴いており、「自分のことに集中していた」状態だったという。

 フィリップス氏はツイッター(Twitter)に、ヒルさんがガレージのドアを開けてからすぐに閉めたところ、警察が発砲し、銃弾がガレージのドアを貫通した、と投稿している。

 ヒルさんは当時、酒に酔っていたという。また、ヒルさんのズボンの後ろのポケットには、弾の入っていない拳銃が入っていた。

 フィリップス氏は上訴する意向を示すとともに、ツイッターで遺族の支援のために募金を呼び掛けた。(c)AFP