激闘制したジョコビッチ、大会前に母亡くした対戦相手を気遣う
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【6月2日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2018)は1日、男子シングルス3回戦が行われ、大会第20シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は6-4、6-7(6-8)、7-6(7-4)、6-2で第13シードのロベルト・バウティスタ・アグト(Roberto Bautista Agut、スペイン)との死闘を制した。ジョコビッチは試合後、1週間前に母親を亡くしたばかりの対戦相手を気遣うコメントを残している。
元世界ランキング1位のジョコビッチは、バウティスタ・アグトについて「ロベルトには好感を持っている。彼はナイスガイだ。彼がツアーに参戦してから、僕たちはとても良い関係を築いている」とした上で、「互いに大きなリスペクトと評価を抱いていて、そういう言葉を掛け合った。彼にサポートも申し出たよ。君たちはどれほど事情を知っているか分からないけれど、彼はご家族に不幸があったんだ。とても残念なことだし、その中で大会に出場してこういう戦いをすることは、並大抵のことじゃない」と語った。
一方、30歳のバウティスタ・アグトは母親のエステル(Ester)さんの死に遭遇して、どうやって大会でプレーすることができたのか「分からなかった」と話し、「テニスは人生だ。コートに入ると現実を忘れて仕事に集中することが当たり前になっている。ずっとそうやって過ごしてきたんだ。この数日間は、コートにいるのは簡単ではなかったことは確かだ」と語った。
ジョコビッチはこの日、コート・スザンヌ・ランラン(Court Suzanne Lenglen)で苦戦を強いられる場面があったものの、4セットに及ぶ3時間48分の試合に勝利。これで四大大会(グランドスラム)でのベスト16入りは通算43回目となり、ジミー・コナーズ(Jimmy Connors)氏の記録と並んだ。さらに、ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)では9年連続で2週目に突入することになった。
グランドスラム通算12勝を誇りながらも、肘のけがから復帰して以降、本来の調子を取り戻せずに今大会では第20シードにとどまっているジョコビッチは、8強入りを懸けた4回戦で第30シードのフェルナンド・ベルダスコ(Fernando Verdasco、スペイン)と対戦する。ベルダスコは同日行われた試合で第4シードのグリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)をストレートで撃破した。
ベルダスコとの直接対決では通算10勝4敗で勝ち越しているジョコビッチは、「4時間近くの試合で、少し疲れてしまった。バウティスタ・アグトのプレーには、かなり忍耐を強いられたけれど、勝てて本当にうれしい」とコメントした。(c)AFP/Jed Court