ニカラグア政情不安、死者100人超に カトリック教会も仲介拒否
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【6月1日 AFP】中米ニカラグアで数週間にわたって続いている抗議デモと衝突の死者数が、5月末までに100人を超えた。
5月31日のニカラグア人権センター(Nicaraguan Center for Human Rights)の発表によると、前日30日には多くの都市でオルテガ政権支持派と反対派の衝突が発生し、少なくとも計11人が死亡、79人が負傷した。警察は後に同日の死者数を15人、負傷者数を199人と発表した。
4月18日に始まったダニエル・オルテガ(Daniel Ortega)大統領と与党サンディニスタ民族解放戦線(Sandinista National Liberation Front)に対する一連の抗議デモで、それまでに少なくとも98人が死亡、900人以上が負傷していた。
抗議デモはもともと、すでに撤回された社会保障制度改革法案に反対して始まった。しかし騒乱はまたたく間に広がり、強権的な指導者とみなされているオルテガ氏と、その妻で副大統領のロサリオ・ムリジョ(Rosario Murillo)氏の退陣を求めるデモに発展した。
オルテガ氏が退陣を拒否する中、ニカラグア政府と反対派は5月28日、先週頓挫したローマ・カトリック教会の仲介による和解のための対話を再開することで合意した。だが、ここへ来て、教会も協議再開を拒否する姿勢を示した。
ニカラグア司教協議会(Nicaraguan Bishops' Conference)は1日、「政権に近い集団」によって「人々が抑圧され、殺害され続けている」限り、対話を再開させない意向を表明した。(c)AFP/Julia RIOS