結腸がん検診は45歳から、米国がん協会が勧告 若い世代で発症増
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【5月31日 AFP】米国がん協会(American Cancer Society、ACS)は30日、若い世代の間で大腸がんが増加していることから、結腸がん検診をこれまでの50歳ではなく、45歳から始めるよう勧告した。
研究によると50歳未満で大腸がんを発症する割合は1994年と比べて51%増加しており、死亡率も上昇していることから、今回新たなガイドラインが策定された。
ACSの責任者であるリチャード・ウェンダー(Richard Wender)氏は「このガイドラインの改訂に着手した当初、大腸がん発症率の高い人種に対して検診を早めに開始すべきかどうかが焦点だった。これは既に一部の機関が推奨している」と述べた。
アフリカ系米国人、アラスカ先住民、米先住民などは結腸がんの発症率が過度に高いことで知られている。
ウェンダー氏は「しかし、若い成人の間で大腸がんの発症率の上昇が続いていることを示すデータを目の当たりにし、われわれは米国の成人全員の検診の開始年齢を見直すという結論に達した」と説明。またACSの研究によると、今の若い世代が年を取っても大腸がん発症率は同様に高いままであるという。
新ガイドラインではどのような種類の検診を受けるべきか具体的に示されていないものの、選択肢として10年ごとが望ましいとされている従来の内視鏡検査や、1~3年ごとの検便などが挙げられている。
また定期検診は75歳まで続けるべきだとした一方、合併症のリスクが上回ることから、臨床医は85歳以上の人には大腸がん検診の継続を控えるよう勧めるべきだとしている。
専門家によると、若い世代の間で結腸がんの発症率が上昇している原因は不明だという。
ACS発行の学術誌「CA: A Cancer Journal for Clinicians」に掲載された研究によると、1990年ごろに生まれた人の結腸がん発症リスクは最もリスクの低い1950年ごろに生まれた人の2倍で、直腸がんでは発症リスクは4倍になるという。(c)AFP/Kerry SHERIDAN