【5月31日 東方新報】2002年6月、中国・北京市(Beijing)密雲区(Miyun)で死亡事故を起こし、そのまま現場から立ち去り15年間逃亡を続けた後に出頭した男に対し、密雲法院は重大な交通事故を起こした罪で懲役1年10月の判決を言い渡した。重大な交通事故だが出頭したことと、被害者の遺族に賠償金を支払い、遺族側も受け入れたことなどが考慮された。

 宋被告は2002年6月、北京市密雲区のある村で貨物トラックを運転中、近くに住む村民の李さん運転の農業用三輪車に衝突、三輪車に同乗していた忠さんが頭を強く打って死亡したほか、運転していた李さんもけがをした。

 宋被告は現場から逃走し、山中に逃げ込んだ。警察の捜索にもかかわらず、15年間行方が分からなかったが、2017年11月、息子に付き添われて警察に出頭した。

 宋被告は逃亡生活中、遼寧省(Liaoning)や山東省(Shandong)などの漁村で魚を獲って生計を立てていた。昨夏に河北省(Hebei)廊坊市(Langfang)で仕事を見つけた際、息子が近くの石家荘市(Shijiazhuang)に住んでいたことを思い出し、逃亡後初めて、息子に電話をかけた。

 息子は事故当時、大学生だった。連絡を取ると、すでに結婚して子どももいた。息子は警察に出頭するよう勧め、出頭時は父親の代わりに、自分の貯蓄から被害者遺族に賠償金を支払った。

 宋被告は、被害者の家族に対して、法的責任を取らなければならないと感じていた。「当時は怖くて、何も考えずに逃げてしまった。もっと早くに、自分の家族と連絡を取るべきだった」と話している。(c)東方新報/AFPBB News