フランス、「お家芸」の自滅さえなければグループ突破は確実
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【6月13日 AFP】間もなく始まるサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)で、グループCに入っているフランス代表。歴代最強クラスとも称されるチームが目指すのは、ポルトガルに延長戦で屈し、決勝で涙をのんだ母国開催の欧州選手権(UEFA Euro 2016)の苦い記憶を振り払い、頂点に立つことだ。
ディミトリ・パイェ(Dimitri Payet)やキングスレイ・コマン(Kingsley Coman)、アントニー・マルシアル(Anthony Martial)、そしてカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)らが選外になるほどの今回のチームに対して、2回目のW杯優勝を期待する声は高まっている。オーストラリア、ペルー、デンマークというかなり楽な組に入ったことも、チームへのプレッシャーが高まっている要因だ。
とはいえフランスには、同じように大会前は盛大に期待をあおり、突破は堅いと思わせる組に入りながら、グループリーグで足をすくわれてきた前例がある。前回王者として臨んだ2002年の日韓大会は、セネガル、デンマークに敗れてグループ敗退。2010年の南アフリカ大会(2010 World Cup)では、レイモン・ドメネク(Raymond Domenech)監督がチームをまとめきれずに自滅し、開催国の南アフリカとメキシコに敗れて大会を去った。
現在のチームも、なんとかグループ首位で予選は通過したものの、スウェーデンに敗れ、格下のルクセンブルクに引き分けに持ち込まれており、悪癖が顔をのぞかせる可能性は捨てきれない。
それでも、中堅国ばかりのグループCの顔ぶれをみれば、普通に戦えば問題なく対戦相手を退けることができるだろう。特に、アントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)とW杯は初出場となるキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)の前線の柱2人は、代表の過去など気にせずプレーするはずだ。
残り3か国では、薬物違反で一時は出場停止処分を科されながら、スイスの連邦裁判所から逆転で出場を認められたパオロ・ゲレーロ(Paolo Guerrero)が主将を務めるペルーと、クリスティアン・エリクセン(Christian Eriksen)擁するデンマークが突破の有力候補と言える。オーストラリアは過去のW杯で下馬評を覆してきた実績があるが、現在のチームはベテランのティム・ケーヒル(Tim Cahill)に頼ってプレーオフをなんとか勝ち抜いたような状態で、主力の高齢化も進んでいる。
フランスが過去の悪夢を繰り返さない限り、グループCはフランスが1位で通過し、2位の座を残り3チームが争う展開になるとみられる。フランスは16日のオーストラリア戦でチーム初戦を迎え、その後ペルー、デンマークの順で対戦。グループCのチームは決勝トーナメント1回戦でグループDのチームと当たるため、フランスとしてはリオネル・メッシ(Lionel Messi)擁するアルゼンチンと早くに当たる展開も避けたいところだ。(c)AFP