【5月30日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権は29日、中国による知的財産権の侵害などに対抗する貿易制裁をめぐり、新たな関税の対象となる輸入品の最終リストを6月15日に公表すると発表した。トランプ政権は3月に制裁関税を表明した後、発動を保留して交渉を進めてきたが、再び方針を変えた格好だ。中国政府は直ちに合意違反だと反発した。

 貿易紛争の解決に向けた米代表団の訪中を控える中、ホワイトハウス(White House)は声明で、米国が持つ知的財産権の侵害に対抗する制裁は現在も立案作業が続けられていると説明。投資規制やより厳格な輸出管理規制を6月30日に公表することも明らかにした。

 トランプ大統領は声明の中で、中国に対する貿易制裁の最終承認する方向に動いていると表明。米側が以前から貿易分野で不満を表明していた事項を挙げながら、「今後、貿易関係が公正で互恵的になることを期待する」と述べた。

 スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)米財務長官は10日足らず前、中国産品に対する関税は「一時保留」すると述べ、貿易分野での対立の「休戦」を表明していた。

 新華社(Xinhua)通信によると中国商務省は直ちに声明を出し、今回の米側の発表は最近の米中間の合意に反していると批判。「米国がいかなる措置を取ろうが、中国には人民の利益と国家の核心的利益を守る自信と能力、そして経験がある」とけん制した。(c)AFP/Douglas Gillison