朝の学校を襲った恐怖 ベルギーでまた襲撃事件
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【5月30日 AFP】29日朝、ベルギー東部リエージュ(Liege)のレオニー・ド・ワア(Leonie de Waha)学校の校庭で生徒たちがサッカーをしていると、通りから銃声が聞こえた。校庭からは見えなかったが、外では同国で相次ぐ襲撃事件がまた起きていた。
男子生徒の1人は公共放送RTBFに対し、「バンという音が聞こえた。銃声だった。先生全員から『移動して!』と言われた」とし、「年少の子どもたちの教室に窓から入った」と語った。
同校では、外の通りと同じようにパニックが広がった。女子生徒の1人はRTBFに「みんな泣いていて、気分が悪くなっていた」と話した。
事件では、黒い服を着た男が、大通りで女性警官2人を尾行してナイフで刺した上、相手から奪った銃で2人を殺害。続いて、近くに止められていた車に乗っていた男性(22)を射殺した。
男はその後、学校に行き、学校職員1人を人質にとった。警察の精鋭部隊が学校校門に集まり、男を追い詰めた。ツイッター(Twitter)に投稿された動画には、警察が何度も発砲し、学校から走り出す男を射殺する様子が捉えられている。
事件では3人と男の計4人が死亡。検察当局はテロ事件として捜査を始めた。捜査関係筋がAFPに語ったところによると、男にはイスラム過激派との接触歴があり、特別警察の監視対象だった。
また同関係筋によれば、過去に強盗や暴力行為、麻薬取引で有罪判決を受けており、ベルギー南部の町で28日夜に起きた殺人事件の容疑者として警察が行方を追っていた。ただ、地元検察当局は、この殺人事件とリエージュの事件との関連はまだ確認できていないとしている。
RTBFによると、男は28日に出所したばかりだった。同関係筋は、男が服役中に過激思想に傾倒したとみられるとの見解を示している。(c)AFP