【5月29日 CNS】宅配便で受け取った荷物が破損していた経験がある人は、少なくないだろう。

 毎日午前8時、中国・北京市(Beijing)西直門(Xizhimen)にある大手宅配会社、申通快逓(STO Express)の仕分け拠点で、配送スタッフが荷物を投げるのは、ごく日常の風景だ。仕分け責任者は荷物の送り先を確認すると、地域別に決められた場所へ投げ込む。

 記者が申通快逓の作業員数人に尋ねたところ、「きちんと包装しているため、通常は破損しない」との答えが返って来た。

 ある配達スタッフは「丁寧に扱ってほしければ、追加料金を払えばいい」とも語った。

 定められた追加料金を支払えば、荷物は手渡しで運ばれるため、地面に投げられることはない。別な言い方をすれば、荷物は投げて運ばれるのが普通だ。

 宅配会社作業員の荷物の乱暴な扱いぶりは、消費者の不興を買い続けてきた。商品の売り主も、荷物の破損に関して消費者から少なからずクレームを受けることになる。

 ただし、追加料金を支払って破損の補償をつけた荷物は別だ。作業員は注意深く取り扱う。しかし補償がなければ、荷物に「壊れ物」の表示があろうが関係ない。そういった表示は、作業員の目には入っていないのだから。

 中国政府は2012年末、宅配荷物を投げたるなど乱暴に扱うことを禁じる規定を設け、違反した場合には罰金も科すことにした。しかし作業員の態度に変化はなく、一部企業ではロボットを取り入れる動きも進んでいる。(c)CNS/JCM/AFPBB News