【5月30日 AFP】ドイツ各地の都市で今、荷物や子どもを乗せて走るカーゴバイク(運搬用自転車)が見慣れた光景となっている。速くて環境にも優しいカーゴバイクは、自動車や配達用ワゴン車の代わりに利用されるようになってきており、都市交通に改革をもたらしている。

 大気汚染が深刻な数十の都市で、ディーゼル車の走行禁止が検討されているドイツ。カーゴバイクの増加は、環境に対する強い配慮が鍵となって後押しされてきた。カーゴバイク使用に対する奨励金や、デザインの選択肢が多いこと、またラッシュ時に自転車レーンをさっそうと走れることなども魅力として挙げられる。

 20世紀半ばまで、欧州北部では牛乳やパン、新聞など生活必需品の運搬に貨物用自転車を使用するのが一般的だった。しかし原動機付バイクが普及するようになると、重くて扱いにくい貨物用自転車はすぐに人気を失い忘れ去られていった。

 運搬用自転車の復活は約20年前、平坦な地形や快適な自転車レーンに恵まれた自転車大国デンマークやオランダで始まり、その後ドイツにも上陸した。

 今日ドイツは、台数では欧州最大のカーゴバイク市場となっている。ある業界データによると、昨年は電動アシスト付きカーゴバイクの販売だけでも、前年比42%増の2万1000台と急増した。(c)AFP/Coralie FEBVRE