ロシアスポーツ相ら、WADAへの書簡で「組織的ドーピング計画」認める
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【5月26日AFP】世界反ドーピング機関(WADA)のクレイグ・リーディー(Craig Reedie)会長ら、スポーツ関連の世界的組織のトップに対し、ロシアのスポーツ相らが「一部の容認できない反ドーピングシステムの不正操作」と「組織的なドーピング計画」が存在していることを認めた。
リーディー会長は、ロシアのパベル・コロプコフ(Pavel Kolobkov)スポーツ相らの署名が入った書簡を受け取った後、記者会見で「最初にそれを見たとき、彼らは不正があったことを認めつつあると感じた。これが大きな改革になることを望んでいる」と述べた。
AFPが入手した書簡のコピーはロシア語で書かれており、あて先はリーディー会長になっているほか、複写のあて先は国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長と国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ(Andrew Parsons)会長となっていた。
また、書簡にはロシア五輪委員会(ROC)のアレクサンドル・ジューコフ(Alexander Zhukov)会長と同国パラリンピック委員会(PCR)のウラジーミル・ルキン(Vladimir Lukin)会長の署名もあった。
独立捜査官であるリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏を中心としたWADAの調査では、ロシアで開催された2014年ソチ冬季五輪で尿検体が同国の連邦保安局(FSB)によってすり替えられていたことが判明しているが、書簡の文書では「組織的」と書かれているものの、肝心の「国家ぐるみ」という言葉は使われていない。
書簡では、「ロシアスポーツ界を深刻な危機に陥れたのは、WADAとIOCの後押しで実施された調査によって発覚した一部の容認できない反ドーピングシステムの不正操作によるものである」とされている。(c)AFP