【5月24日 AFP】米航空宇宙局(NASA)のジム・ブライデンスタイン(Jim Bridenstine)新長官は23日、米上院の公聴会に出席し、気候変動に関するこれまでの持論を改め、現在は人間が温室効果ガス排出の主たる要因であると確信していると認めた。ブライデンスタイン氏はドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領からNASA長官に任命され、かつては地球温暖化について懐疑的な見方を示していた。

 ブライデンスタイン氏はNASA、エネルギー省(DOE)、米海洋大気局(NOAA)などがまとめた報告書「全米気候評価(National Climate Assessment)」を引き合いに出し、「(報告書は)人間の活動が地球温暖化の主因である可能性が極めて高いと指摘しており、それから導かれる科学的な認識を疑う根拠は私には何もない」と証言。

 また民主党のブライアン・シャッツ(Brian Schatz)上院議員との質疑応答では、人間は確かに気候変動を起こしていると認めるとともに、自身のこれまでの考えについても変化があったと言及した。

 ブライデンスタイン氏をめぐってはトランプ大統領が同氏をNASA長官に指名した際、科学分野に関する経歴がなく、また気温上昇は止まっているとの持論から過去に地球温暖化を疑問視していたことなどから、科学研究者の間で懸念を示す声が上がっていた。

 先週、ブライデンスタイン氏はNASAの職員たちを安心させるため、トランプ政権が2019年度予算に盛り込んだ地球科学に関する予算は「バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領が通した予算よりも3倍多い」と指摘していた。(c)AFP