【5月23日 AFP】米ナショナルフットボール(NFL)各球団のオーナーは22日、ヘルメットの使い方やキックオフ方法、ビデオ判定の拡大などに関する規則を18シーズンから変更することを決定した。スピードに乗った状態での衝突やヘルメットから当たりにいく行為を減らし、選手の安全性を高めることが主な狙いとなる。

 規則変更についてはすでに今月初めの会合で話し合われていたが、この日にアトランタで行われたオーナー会議で投票が行われ、正式に決定した。

 新ルールでは、頭を下げてヘルメットから相手に当たりにいった選手は退場を宣告されることになった。退場処分の基準となるのは、ヘルメットでコンタクトする前に頭を下げて一直線の体勢をつくった場合、途中で邪魔されずにヘルメットからぶつかっていった場合、ぶつかる以外の選択肢があったにもかかわらず、間違いなく避けられたはずの接触を行った場合の3種類

 キックオフについては、キックオフの際にラインから1ヤード以上後ろに離れた場所にラインを形成することが禁止され、大きく助走をつけてラッシュすることができなくなった。

 また、ウェッジブロックは原則禁止となり、自軍40ヤードラインと敵軍45ヤードラインの間(キックオフは通常自軍35ヤードラインから)の「セットアップゾーン」でのみ、ダブルチームブロックが認められることになった。

 さらに、キックオフ時の選手間の距離とスピードを減らすため、キックオフ側はボールの両側にこれまでの最低4人ではなく5人ずつ選手を配置しなければならず、リターン側はセットアップゾーンに8人の選手を置かなければならないことに決まった。

 加えて、リターン側はボールをレシーブするかボールが地面につくまでは、規定のライン(通常は敵陣45ヤードライン)を越えたり、ブロックを行ったりしてはならないことになった。これにより、リターン側は後方へ走りながらブロックすることになり、危険な姿勢でのスピードに乗った衝突が減ることが期待されている。

 ボールが地面に触れない限りはリターン側はブロックすることも、制限ラインを越えることもできないため、10ヤード獲得を狙うオンサイドキックでは、これまでのようにボールをバウンドさせるやり方ではなく、ラグビーのようにボールを高く蹴り上げてリカバーする作戦が取られるようになる可能性がある。

 また、エンドゾーンで跳ねたボールはキックオフ、パントともにすぐさまタッチバックと判定され、エンドゾーンでボールを地面につける必要はなくなった。(c)AFP