【5月20日 AFP】米テキサス州のサンタフェ高校(Santa Fe High School)で生徒が発砲し10人が死亡する銃撃事件が発生してから36時間後の19日夕、同校野球チームの選手たちが試合に臨んだ。野球は古くからテキサスの人たちに親しまれてきた娯楽だが、この日の試合は事件による心の傷を癒やし合うものとなった。

 多くの観客らが集まった球場は夕日に包まれ、球審がホームベースから赤土を払い試合開始の準備は整った。18日にサンタフェ高校で事件が発生するまで、この試合はこれほど注目を集めるようなカードではなかった。

 ショットガンや拳銃で武装した容疑者の男子生徒が銃を乱射した事件で犠牲となった10人のほとんどは生徒で、他にも13人が負傷した。

 球場にサンタフェ高校の野球チームを紹介するアナウンスが響き渡ると、集まった約1000人の観客らは大歓声を送った。

 チームのスター選手で投手のローム・シュバート(Rome Shubert)さんは事件で後頭部を撃たれたが、奇跡的に助かり、この日の先発メンバーに名を連ねた。

 シュバートさんが死と隣り合わせの体験をし、犠牲となった生徒らの家族たちが葬儀の準備を進める中、チームは事件に屈しない強さを示し、悲劇による心の傷を癒やすために、同日のプレーオフに出場することを多数決で決めた。(c)AFP/Michael Mathes