【5月18日 AFP】南アフリカで、食品を媒介して広がるリステリア菌の感染による死者数が200人以上に上っていることが、17日に発表された最新の公式統計で明らかになった。今回の被害は史上最悪の規模だという。

 同国の国立感染症研究所(NICD)の報告によると、2017年1月からこれまでに確認されている、リステリア菌感染による死者数は少なくとも204人。2か月前に報告された死者数は183人だった。

 各週の症例数は減少しているものの、これまでに計1033人がリステリア症にかかったという。リステリア菌は土壌や河川、植物、動物のふんなどに分布する細菌で、肉などの生鮮食品を汚染する。

 保健当局は3月、感染源が首都プレトリアの北東300キロにある食品加工メーカー「エンタープライズフード(Enterprise Food)」であると突き止め、汚染された製品の全国的な回収を即座に命じたと発表した。

 南アフリカ政府は17日、「感染源を特定し、関連のある製品を回収して以来、リステリアの症例数は大幅に減少した」と発表していた。

 国連(UN)によれば、今回の南アフリカでのリステリア症の流行は、世界的にも史上最悪の規模だと考えられるという。(c)AFP