【5月18日 CNS】日一日と温かくなっている中国・チベット高原では、伝統薬に使われる「冬虫夏草(とうちゅうかそう)が収穫期を迎えている。青海省冬虫夏草協会の話によると、現在、新鮮な冬虫夏草の市場価格は安定しているという。

 冬虫夏草の生産地は、主に海抜4000メートル以上の高冷地帯で、青海省の生産量は中国全体の60%を占め、数量、品質ともに中国ではトップクラスだ。

「現在、新鮮な冬虫夏草の定価は大きさによって決められ、値段は1本30~45元(約500~770円)と市場価格は安定している」青海省冬虫夏草協会の姚孝宝(Yao Xiaobao)秘書長は説明する。

 青海省の収穫期は、海南チベット族自治州(Tibetan Autonomous Prefecture of Hainan)で毎年4月下旬から6月上旬、黄南(Malho)、ゴロク(Golog)、玉樹(Yushu)の3つのチベット自治州では5月上旬から6月上旬とされる。

 青海省西寧市(Xining)で冬虫夏草の販売などに携わる業者によると、淘宝(タオバオ、TaoBao)や天猫(Tmall)などの各オンライン通販は4月上旬から冬虫夏草の予約販売を開始している。すでに約3万2000本が予約済みで、主な顧客は中国沿岸地域の消費者。販売価格は前年と同程度だが、売れ行きは順調だという。

 乾燥品の現時点の在庫は、青海省冬虫夏草協会の統計によると、1トン前後。このうち、品質の高い500グラムあたり800~1000本の冬虫夏草の価格は2014年以来、15~18万元(約258~310円)の高価格を維持している。

 同協会のガマ会長は、「新鮮な冬虫夏草は乾燥品の販売価格の影響は受けていない。しかし2018年の出荷量は少なくなると予想されることから、価格は今後、間違いなく高騰するだろう」と述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News