W・ヒューストンさん、性的虐待受けていた カンヌで実録映画上映
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【5月18日 AFP】2012年に48歳の若さで急死した米歌手ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)さんの悲劇的な人生を描いた衝撃のドキュメンタリー映画『ホイットニー(原題:Whitney)』が17日、南仏カンヌで開催中の第71回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で初上映され、ヒューストンさんが子どもの頃にいとこでソウル歌手のディー・ディー・ワーウィック(Dee Dee Warwick)さんから性的虐待を受けていたことが明かされた。
同作は英スコットランド出身のケヴィン・マクドナルド(Kevin Macdonald)監督が、ヒューストンさんの家族の協力を得て制作したもの。マクドナルド監督は、1972年のミュンヘン五輪事件を追ったドキュメンタリー映画『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実(One Day in September)』でアカデミー賞(Academy Awards)を受賞した経歴を持つ。
ヒューストンさんから「メアリーおばさん(Aunt Mary)」と呼ばれていたアシスタントのメアリー・ジョーンズ(Mary Jones)さんは、性的ないたずらをされた体験をヒューストンさんから打ち明けられたと明かした。ジョーンズさんは、ビバリー・ヒルトン・ホテル(Beverly Hilton Hotel)の客室の浴槽にうつぶせになっていたヒューストンさんの遺体の第一発見者でもある。
また、ヒューストンさんの異父兄ゲーリー・ガーランド(Gary Garland-Houston)さんも、同様にディー・ディー・ワーウィックさんから性的虐待を受けていたと映画の中で告白している。ディー・ディー・ワーウィックさんは、ソウル界のレジェンドとして知られるディオンヌ・ワーウィック(Dionne Warwick)さんの妹。
この性的虐待の告発は、ヒューストンさんが恋愛面で問題を抱え、薬物依存に身を落としていった経緯を知る手掛かりになるかもしれない。2012年の急死について、米検視局は薬物が死因の一つだったと断定している。
映画では、ヒューストンさんをかねてうわさのあった両性愛者として描く一方、パートナーだった女性ロビン・クロフォード(Robyn Crawford)さんとの関係が破綻するに至ったのは、消えることのないトラウマや、公のイメージを維持するプレッシャーが原因だったとしている。
ラッパーのボビー・ブラウン(Bobby Brown)さんとの結婚生活やどろどろした関係についても描かれている。ブラウンさんはマクドナルド監督に対し、薬物乱用は「ヒューストンさんの死とは無関係」と主張している。(c)AFP/Deborah COLE