米空軍が「ヤニー・ローレル論争」で不適切ツイート、30人犠牲の戦闘に絡める
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【5月18日 AFP】米空軍は17日、少なくとも30人が犠牲になったアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)との戦闘を冗談めかしたようにも受け取れるツイートをして非難の的になった。問題となったツイートは既に削除されている。
2音節の短い音声が「Yanny(ヤニー)」と「Laurel(ローレル)」のどちらに聞こえる?という問いがインターネット上で注目を集めている中、米空軍はツイッター(Twitter)の公式アカウントから、この問いに今週アフガニスタン西部ファラー(Farah)で起きたタリバンの攻勢を絡めた内容を書き込んだ。
米空軍のツイートは「アフガニスタン・ファラー市のタリバンにしてみれば、わが軍のA10攻撃機の耳をつんざくようなブルルルという銃撃音よりもヤニーやローレルといった音の方をずっと聞きたかっただろう」というもので、タリバンのファラー攻勢に関する記事へのリンクが添えていた。
オンライン上でたちまち話題となったが、多くのインターネットユーザーは面白いと思わなかったようだ。ツイッターの@radical6216というアカウントは「ひとつ提案がある。次回からは任務を遂行している人たちのことも考えてくれ。軍用装備品に興奮する加虐的な暇人の考えを公にするのはみっともない」と投稿した。
一方で、空軍のツイートへの批判はポリティカルコレクトネス(PC、政治的妥当性)が行き過ぎているとして擁護するユーザーもいた。
しかし米空軍は投稿の数時間後、問題のツイートを削除した上で、「先のA10攻撃機に関するツイートについて謝罪します。悪趣味な内容であり、内部調査を行っています。当該ツイートは削除しました」と投稿した。
16日には米国防総省がヤニー・ローレル論争に参戦し、海兵隊の教官が新兵を叱りつける写真に「私はヤニーと言ったんだ、新入り! ローレルじゃない!」とのコメントを添えて投稿していた。
米軍とアフガニスタン軍は今週、タリバンがファラー州の州都ファラーに大攻勢を開始したことを受けて、同州のタリバン拠点への空爆を実施。おびえた住民たちが爆発や銃撃から逃げ惑うことになった。
アフガニスタン内務省のナジブ・ダニッシュ(Najib Danish)報道官によると、この攻防でタリバンの戦闘員300人を殺害した。一方、ファラー州のアブドル・バシル・サランギ(Abdul Basir Salangi)知事は、少なくとも民間人5人、アフガニスタン兵25人が死亡したと明らかにした。(c)AFP