【5月17日 AFP】南仏カンヌで開催中の第71回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で16日、黒人や混血の女優16人がレッドカーペットに集結し、仏映画業界にはびこる人種差別を非難した。

 今回のレッドカーペットでの訴えを主導したアイサ・マイガ(Aissa Maiga)は、監督やキャスティング・エージェントから受ける偏見を非難した。集まった女優たちは「Being black is not my job(黒人であることが私の仕事ではない)」という本を新たに出版している。

 カンヌ映画祭では12日、ハリウッド(Hollywood)女優のケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)率いる女優、監督、プロデューサー、脚本家ら女性82人がレッドカーペットに集結し、賃金面や待遇面での男女平等を訴えており、今回の訴えはこれに続くものだ。

 マイガはAFPの取材に対し、「時代精神に突き動かされ行動した」と述べた。国内で激しい反発にあうかもしれないが、映画に出演する黒人の割り当てを決めることが、黒人の出演機会の少なさ解消への「可能な選択肢となり得る」と主張した。

 訴えに参加したナデージュ・ボーソン・ディアーニュ(Nadege Beausson-Diagne)は、キャスティングのときに「アフリカ語」を話せるかと聞かれたことがあると本の中で語っている。さらに、「アフリカ人を演じるにはアフリカ人っぽさが足りない。黒人にしてはとても知的だ。白人なら良かったのに」と言われたという。(c)AFP